日本の学校教育では、努力・忍耐・我慢がとかく強調されがちですが、ある意味その対極にある「楽しむ」ことの重要性について、身近な事例を通して考察してみました。
1. 子供は遊びの天才
「子供は遊びの天才」。
幼稚園くらいの子供を見ているとこの言葉を日々実感します。
虫取り、ゲーム、鬼ごっこ、ブロック遊びなんでも良いですが、好きなことに熱中している時はいくら声をかけても気づきませんし、その集中力は本当に無敵です。
本人からしたら頑張ってるなんて感覚はこれっぽっちもありません、ただただ楽しんでるだけ。
そして遊びの中で自然と様々な能力を身につけていきます。
遊びは楽しいし、いろいろなことができるようになるのも嬉しい。
過程も結果も共にハッピーなわけで、良いことづくしですね。
でも、大人になるにつれて、次第にWantよりMustを優先するようになり、我慢や忍耐は身につきますが、逆に楽しむことに対する感度は鈍りがちです。
そして、いつの間にか、目標達成の瞬間は嬉しいけど、それまでの努力の過程は苦しいという世界が増えてきたりします。
だからこそ、大人目線では、好きなことに寝食忘れて没頭できる子供は遊びの「天才」といいたくなるのでしょう。
2. 「俺に頑張ってはいらない」
そういえば、NPBへの現役復帰挑戦で話題になった新庄剛志さんが最近のインタビューで「俺に頑張ってはいらない」というお話をされていました。
言葉は正確ではありませんが、
「好きなことをやってるだけで別に頑張ってない。頑張ると結果は出ない。とことん楽しむのが一番結果が出る」
といった趣旨のコメントでした。
今回のNPB復帰挑戦にしても凡人では到底耐えられないハードなトレーニングを積まれている新庄さんが仰っているところに大きな意味があると思います。
新庄さんは子供なら誰しもが持っている楽しむという才能を大人になっても失わなかった方なんだろうなと思いました。
3. Wantを起点にWant × Need × Can
個人的には新庄さんのような状態が一つの理想型だと思っています。
他人にとっては苦行にしか見えない努力も楽しめる(Want)、そして一定のニーズ(Need)と能力(Can)がある分野を仕事にできている状態です。
ちなみに、ニーズや能力は言ってみれば他者との関係性から生じるものです。
ニーズは他の人からどれだけ求められているかですし、能力の有無は他者との相対評価で決まります。
これだけSNSが発達し外部からの情報が洪水のように流れてくる現代では、世の中のトレンドや他者の評価は嫌でも意識させられますし、下手するとこれだけで頭がいっぱいになります。
一方で楽しむというのは自分一人だけの問題で、自分しか答えを出せません。
だからこそ、個人的には楽しむという点を特に意識したいと思っています。
4. 天才に戻る
ところで、芸術、スポーツ、勉強、なんでも良いですが多くの才能は特定の人にしか与えられていません。
けれども、目の前のことをとことん楽しむという遊びの才能は少なくとも子供の時はみんなが持っていた才能です。
だから、周りに流されず、自分の心と向き合っていけばきっとそのその才能を呼び戻し、再び「遊びの天才」に戻ることはできるはずです。
5. 楽しむ人は無敵
才ある者は、努力する者に勝てず
努力する者は、楽しむ者に勝てず
(孔子)
という孔子の言葉にもあるように、楽しむ人は無敵です。
どの分野でも圧巻の成果を出している人はきっと仕事を楽しんでいます。
苦しいことに耐えて嫌々やるよりも、子供のように夢中になって楽しんでいる人の方が成果が出るに決まっています。
とかく日本の学校教育では努力、忍耐、我慢ということが強調されがちですが、時間を忘れて夢中になれる分野を見つけるのはそれ以上に大切だと思います。
そのためのヒントが「価値観」に隠されています。
長くなるのでここでは割愛しますが、興味がある方は↓をご覧ください。
6. まとめ
子供は遊びの天才。夢中に遊ぶ中で様々な能力を身に付けていくので過程も結果も共にハッピー。
けれども、大人になるにつれて次第にWantよりMustを優先するようになり、我慢や忍耐は身に付くが、逆に楽しむことに対する感度は鈍りがち。一方で、圧巻の成果を残している人は子供なら誰しもが持っている楽しむという才能を大人になっても失わなかった人。
だから、他人にとっては苦行にしか見えない努力も楽しめて(Want)、一定のニーズ(Need)と能力(Can)がある分野を仕事にできている状態が理想。
多くの才能と異なり、遊びの才能は少なくとも子供の時はみんなが持っていた才能。
だから、周りに流されず、自分の心と向き合っていけばきっとそのその才能を呼び戻し、再び「遊びの天才」に戻ることはできるはず。
とかく日本の学校教育では努力、忍耐、我慢が強調されがちだが、時間を忘れて夢中になれる分野を見つけるのはそれ以上に大切。