「だから、失敗するんじゃ」

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1. スター・ウォーズ 帝国の逆襲での一コマ

前回に続き今回もスター・ウォーズ関連の話題です。

映画「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」で、主人公ルークが惑星ダゴバにいるジェダイ・マスター、ヨーダの元を訪れ、フォースの修行を積む場面があります。
鉄の塊である飛行機を、沈没した池から浮き上がらせるシーンで、「ムリです、大きすぎる」と諦めるルークに「大きさではない」と一喝し、ヨーダ自ら、その機体を浮き上がらせてみせるのですが、「信じられない・・」と呟くルークにヨーダがかけた言葉が秀逸です。

「だから、失敗するんじゃ」

まずは、己を信じることができなければ、できるものもできなくなってしまう、ということでしょう。

 

2. 目標達成率 = 計画の精度 × 実行力

とても含蓄のあるシーンでいろいろな解釈があると思いますが、一般的な目標達成に当てはめても真理を突いているんじゃないかと思います。

ある目標を達成しようと思ったら、大事なのは計画(何をやるか)とそれをやり抜く実行力です。計画がいくら素晴らしくても実行しなければ意味はないですし、逆にどれだけ実行力があっても間違ったことをしていたのでは目標には到達しません。つまり、

目標達成率 = 計画の精度 × 実行力

といえます。

そして、ポイントは、計画の精度と実行力は無関係ではなく、実行力は計画の精度に支えられているという点です。

例えば、大学受験で問題集が2冊あって、一方は志望校合格率90%、他方は合格率10%だったとします。合格率90%の方なら俄然やる気が出ますが、10%の方を渡されてがんばれ!と言われても全くやる気は出ないでしょう。

 

3. 私の失敗と気付き

とても単純なことなのですが、私は社会人になりたての頃、これがわからずだいぶ苦労しました。目標達成という点において、学生と社会人で大きく違うのは、計画や段取りを立てるのが自分か他者かという点です。(目標設定についても大きく異なるのですがそれは本記事では割愛)

学生(特に高校生まで)は計画は基本与えられるものです。部活なら練習メニューは先生やコーチが作りますし、受験でもカリキュラムは学校や予備校が用意します。なので、良い計画を作ってくれるところにさえ入れれば、あとはそれをどれだけ忠実にやり切れるか、実行力の勝負になります。極端なことをいえば、学生時代は、マシーンのように一心不乱に与えられたメニューをこなせる人は結果を出しやすいと思います。

自分の学生時代を思い返しても、受験や部活などの大きな活動においては、苦しいことがあってもとにかく耐えて、与えられたメニューをやり抜く、そこだけしか意識していなかった気がします。その点、多少の困難ではめげない根拠のない自信はつきました。

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けれども、社会人になって急にパフォーマンスが落ちました。
最初は理由が全くわからず本当に辛かったです。

では、どんな仕事のやり方をしていたのかというと、まず目標設定も曖昧だったのですが、計画においても、やることをなんとなく頭で考えていきなりカレンダーにスケジューリングしていくという感じで、計画や段取りがとにかくいいかげんだったのです。そして、その結果どうなったかというと、実行力も落ちました。心のどこかでこれやっても結局失敗するんじゃないか、という不安が拭えなかったからなかなか本気で取り組めなかったのです。計画、実行共にダメなら結果が出るはずがありません。学生時代よりパフォーマンスが落ちるのも当然です。

でも、ある大きなプロジェクトを任された際、それまでの自分のやり方を見直し、目標達成に必要な要素(目標、前提条件、ステークホルダー、タスク等)を全て紙に書き出してタスク設計をしっかり行うように変えたところ、自分の計画に初めて自信が持てて実行力も上がりました。当時はまだマネジメントするステークホルダーの数も少なく、プロジェクトの難易度はそれほどではありませんでしたが、計画立案に初めて真正面から向き合ったという点で自分の中では大きなターニングポイントになりました。

そして、この時思ったのは、計画や段取りをどの程度信じられるかで、自分の実行力も変わってくるということです。
少なくとも他者から与えられただけの借り物の計画ではダメです。それでは行動も中途半端になってしまいます。
計画時点でそれが最善かどうかなんてわかりませんが、自分のパフォーマンスを最大限に発揮したいなら、これなら最後までやり切れる、と腹落ちするまで自分の頭で計画を練る必要があります。

 

では、具体的にどうやって計画や段取りを立てれば良いのか?
興味がある方は以下の記事をご覧ください。

 

4. まとめ

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目標達成率 = 計画の精度 × 実行力
そして、実行力は計画の精度に比例します。

つまり、目標達成において、計画というのは二重の意味で重要になってくるのです。

最近ビジネス界隈ではじっくり計画を立てるよりもアジリティ(スピード)を重視して計画を簡素化する傾向が見られます。けれどもそれは、PDCAを小さく短期間に回すことで変化に対する柔軟性を上げるということであって、決して無計画で良いということではありません。
計画とは自信の源、たかが計画と侮るなかれ、です。

あなたは自分の計画を信じることができますか?