紙の手帳は上級者向け

きっかけは紙の手帳の挫折からの中で「紙の手帳は上級者向け」と書きましたが、そう思った理由を一つご紹介します。

 

逆算思考の実践ステップに足りないもの

手帳は目的によって利用方法が変わってきますが、ここではあくまで逆算思考(いつどんな状態になっていたいか、ゴールと期日を定め、それを実現するためのステップを逆算して洗い出し、実行する、という考え方)を実践することが目的と思ってください。最近は逆算思考をうたった手帳も割と増えてきており、たいていは使い方が書かれているのですが、よくある使い方は

①価値観を明確にする
②価値観に基づいてゴール(年間ゴール、月間ゴール)を明確にする
③ゴールを達成するために必要なタスクやアポイントをカレンダーに落とし込む

という流れです。
私も初めて手帳で逆算思考を実践しようとした際はこれに従おうとしたのですが、正直非常に無理を感じました。まず①ですがこれは何とかなります(突き詰めると難しいテーマではありますが)。次に②ですが、ゴールを明確にするということはいつ自分がどんな状態になっていたいかを明確にする、ということですので、自分の心に素直に従えば書くことはできます。問題は③です。ちょっと想像して頂きたいのですが、例えばあなたが営業部門のリーダーに昇格して初めての仕事として「A案件を受注する」というビジネス上のゴールを立てたとします。さて、新米リーダーであるあなたはこれを達成するためのタスクやアポイントをいきなりカレンダーに書き込むことができるでしょうか?おそらくあなたはカレンダーに書き込む前にまず、このゴールに対してどのようなタスクやアポイントが必要になるのか、例えば以下のようなタスクリストを作成するはずです。

  • 受注戦略の叩き台を作成する
  • 営業部長と受注戦略の意識合わせを行う
  • キックオフを行い、関係者と受注戦略を共有する
  • 提案書を執筆する
  • 提案書のレビューを行う
  • プレゼンのリハーサルを行う
  • プレゼン本番

そして、それぞれのタスクやアポイントにどの程度の時間が必要なのか?、関係者のスケジュールはどうなっているのか?などを吟味して、リスト化したタスクやアポイントをカレンダーに「転記」していく、という流れになるのではないでしょうか。

つまり②と③の間には「タスク設計」という大事なステップが1つ抜けているのです。

 

逆算思考をうたった手帳にタスク設計の概念が乏しいのはなぜか?

本来、逆算思考を実践するには

①価値観を明確にする
②価値観に基づいてゴール(年間ゴール、月間ゴール)を明確にする
③タスクを設計する(ゴールを達成するために必要なタスクやアポイントを洗い出す)
④タスクをスケジューリングする(タスクに日付を割り振る)

という流れが必要になります。ところが、既存の手帳ではなぜか③タスク設計のステップが省略されています。省略している1つの理由としては真面目にタスク設計を行うと、そこからカレンダーへの「転記」という面倒な作業が発生するからなのでしょうが、タスク設計を省略していきなりカレンダーにタスクを落とし込める人というのは頭の中だけでタスク設計が完璧にできる人ですので、明らかに上級者なのです。

書店の手帳コーナーへ行けばわかりますが、逆算思考が実践できるような手帳は社会的に大きな成功を収められた方によってプロデュースされたものがほとんどです。これはあくまで私の推測ですが、こういった成功者の方々は経験も豊富で何より大きな結果を出されているので、新たなゴールを設定した場合でも過去の経験のアナロジーで、そのゴールに至るまでのステップを脳内で大まかにイメージできるのだと思います。だからタスク設計というステップが明示的になくてもゴールからいきなりカレンダーにタスクやアポイントを書き込むようなことができるわけです。そんな方々にとってはわざわざタスクをリスト化してそれを転記するという手間は不要なのです(そもそも多くの部下や秘書もついているので細かなタスク設計については彼らに任せられるいうのもあるでしょう)。
しかし、これから初めて逆算思考に基づいた人生設計、タスク管理を行おうと考えている、いわば初心者の人はそうはいきません。転記が面倒だからということでタスク設計を省くと、往々にして必要なタスクが漏れたり、スケジューリングの精度が悪くリスケが発生したりという事態に陥ります。これは私自身、何度も経験していることなので非常によくわかる話です。

 

Dreamscopeを使えば、初心者でも簡単に逆算思考を実践できます

過去の記事でも何度か書いていますが、こういった自らの経験を踏まえてDreamscopeは以下のコンセプトで作られています。

『自分のようなタスク管理の初心者や面倒くさがりの人であっても
1.逆算思考を実践できる
2.複雑かつ大量のタスクを効率的に処理できる
3.愛着がわくクールなデザイン、直感的で快適な操作性を楽しめる』

今回は1、2に関連する話になりますが、Dreamscopeでは先にあげた逆算思考実践のステップのうち③タスク設計、④スケジューリングをそれぞれ独立した形で、かつ転記の手間なく行うことができます(勿論同時に行うこともできます)。更にタスクの追加や変更、スケジュール変更にも直感的なUIで簡単に対応できます。

タスク設計:
「A案件をリリースする」というゴールに対して必要なタスクを上げます。ここで最も大事なのは必要なタスクが全てあがっているということです。タスク数が多いときはゴール配下にフォルダを作って整理しながらタスクを上げるとよいでしょう。この段階では各タスクの日付は大まかに設定すればよいです。

スケジューリング:
カレンダービューで日単位のタスク所要時間合計を見て、無理のない計画になっているか確認します。無理そうな日があれば、別の日にタスクをドラッグアンドドロップで移動します。

フィルタ機能を使って最終チェック:
他のタスクが邪魔で見にくい場合はフィルタ機能を使うことで、特定のゴールもしくはフォルダ配下のタスクだけを表示できます。こうすることで、該当ゴール配下のタスクの順序性を簡単にチェックすることができます。

実は④スケジューリングも紙の手帳で実践するのは初心者には難しい点があるのですが、長くなりますのでそれは次回に譲ります。